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Lune-intime journal

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2015.07.02(Thu)
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遠くの君へ 4
アンダーパスを歩いている間、二人は無言だった。
一回目に時の空間を抜けた時も、何も喋らなかった。きっと陽奈のことを知っていた晴輝は、自分と同じように時を変えるためにやってきた陽奈に対して、どんなことを考えていたんだろう。
そして、今はどんな気持ちでいるんだろうか。
あっという間にアンダーパスを通り抜けた。
「ここって…」
普通の世界、今まで毎日アンダーパスを通り抜けたら見える景色そのものだった。
「最上暁が交通事故で死ぬ日だ」
陽奈は、鞄の中に入っている携帯電話を見てみる。確かに陽奈がいる時間は、暁を失った日だった。
「ありがとう、私のワガママきいてくれて」
晴輝は決して、陽奈のことを見ようとしなかった。それでも陽奈は、笑顔で彼に言った。
「晴輝は、私にとって大事な友達だよ。高校時代から、そう思っていた。晴輝に会えて、友達になれて良かった」
晴輝は、俯いたままだった。陽奈は、そんな彼の姿を目にしっかり焼き付ける。
「晴輝、ありがとう」
陽奈は、そう言って歩き出す。向かう先は、大好きなあの海。ここからだと歩いても、十分くらいで着く。
最後は、あの海でと決めてた。
車同士の正面衝突事故だから、自分がその場所に行ってどうにかできるわけがない。出来ることは、事故が起こる前に暁に車を運転させないこと。
陽奈の頭の中には、暁の笑顔が浮かんでいた。
出会った最初は、仕事に真面目だったせいか、怖い印象しかなかった。だからまともに話せるようになれるまで一年もかかった。
でもそれからは、いつも暁は優しい笑顔で自分を見てくれた。昨日も、いつもと同じような笑顔で、プロポーズしてくれた。 今、目の前に広がっている海の前で。
陽奈は、昨日と同じ場所に座った。暁を待っていた場所。そして腕時計を見る。
時の空間というのは、直さなくてもその時間を指してくれるんだな。と、なんだか陽奈は感心してしまった。
暁の事故の瞬間まで、後十分。そしてそのまま暁の番号に電話をする。1コール、2コール、回数が増える度に、陽奈は早く出てと祈るような気持ちで待っていた。
「もしもし、陽奈?」
やっと出た。電話越しに聞こえたのは、暁の声だった。
「ゴメン、仕事中だったよね」
「取引先に向かう途中。陽奈こそ、仕事だろ?」
「今日仕事休んでるんだ。…大事な話があって、電話した。今、話せるかな?」
「そんなに長くは無理だけど。車止めてるから大丈夫だよ」
暁の言葉に、陽奈はほっと一安心した。これで暁は事故に合わない。そして自分が消えるだけだ。 そう思うと、陽奈の瞳から、涙があふれた。過去に来て何回目だろうか、なんだか泣いてばかりいるような気がする。
「…陽奈、どうした?」
話があるって言った陽奈本人が、泣いているせいで喋られなくなっている。
「もしかして、泣いているのか?」
決して声を上げているわけではないが、暁は電話越しに陽奈の様子がおかしいことを感じ取ったのかもしれない。
「ゴメン、なんでもない」
陽奈は、目に浮かんだ涙を、片手でぬぐう。
「ならいいんだけど」
「いまね、海に来てるんだ。私の大好きな海に。今日も晴れていて、真っ青でキレイだよ」
「ああ」
空は真っ青に晴れていて、海も青色でキラキラ光っている。陽奈の一番好きな色。
「神様のプレゼントだね」
これから消えゆく自分への、神様が与えてくれたプレゼントなのかもしれない。陽奈はそう思った。
「そういえば、昨日冬の海もいいって言ってたよな」
「あの話、聞いていたんだ」
昨日の暁は、明らかにプロポーズのせいで緊張していたから、陽奈は自分の話なんか聞いていないと思っていた。
「緊張している割には、よく聞いているだろ?」
得意げに暁は言う。
「やっぱり暁さんにはかなわないね」
陽奈は、暁の言葉のおかげで、やっと微笑むことが出来た。
「そうだよ、冬の海もいいよ。真っ青じゃないし、時化ることもあるけど。それはそれでキレイで…。これから暁さんも、沢山この海の表情が見れるよ」
「一緒にな」
「…うん」
一緒に見るということは、二度とないんだよ。陽奈は言葉を飲み込んだ。そして、腕時計で時間を確認する。
その瞬間自分の腕が、一瞬七色に発光した。
「えっ?」
突然の自分の体の変化に陽奈は、びっくりする。
「どうかしたのか?」
「ううん、なんでもない」
暁がいなくなる時間まで、後三分。この光と一緒に、自分も消えるということなんだろうか…。
「暁さんも粋だよね、私の大好きな場所でプロポーズしてくれるなんて」
「プロポーズするなら、そこしかないと思ったからな。大好きな海が、もっと好きになるだろ」
「そうだね」
「それに絶対忘れないだろ?」
「うん、絶対に忘れないよ。消えてしまったとしても」
「えっ?」
確実に時が刻んでいる。やっぱりあの光が、消えるということなんだ。陽奈の腕が、また七色の光に包まれたことで確信する。
「暁さん、私を好きになってくれてありがとう」
「何、急にかしこまっているんだよ」
発光が加速している。今まで腕だけだったのが、今度は全身が光に包まれ始めた。
もうちょっと、待って。これで最後だから、神様は許してくれるよね。陽奈は願った。暁と最後にどうしても伝えたかった。
「結婚したいって言ってくれて、本当に嬉しかったよ。暁さんに出会えて、好きになって。佐倉陽奈は、ずっと忘れないよ。暁さんが好きになってくれたこと、例え消えてしまっても…」
「陽奈?なんか言っていることが」
時計を見ると、暁が交通事故に遭った時間を一分過ぎていた。そして同時に、自分の腕が消えかかっていることに気がついた。
「良かった、本当に良かった…」
これで暁は死なない。そして自分は消える…。
体中から発光されるのと同時に、ドンという衝撃が陽奈を襲った。きっともうこれが、最後。
「ありがとう、暁さん。大好きだよ」
その言葉と同時に、携帯電話が落ちた音が、暁に聞こえる。
「陽奈?もしもし、陽奈?」
電話の向こうから、波の音しか聞こえなかった。そこに残っていたのは、携帯電話だけだった。


いつもこの海の前を通ると、何故か車を停めてしまう。どんなに仕事で忙しい時もだった。
「あれ、最上さん。急に車停めて」
暁は今日から、大学を卒業して入社したばかりの新人と同行して得意先を回っていた。まだ入社して三カ月程度しか経ってないが、元気だけは良い新人だった。
「ちょっと息抜きでもするか」
「あっ、はい」
そう言って、二人は車を降り、波打ち際まで歩いて行った。
「最上さんでも息抜きすることあるんですね」
「えっ?」
「会社の中でも、最上さんって真面目だし。あまり喋らないし。あっ、悪い意味じゃないですよ。仕事が出来るから、尊敬もしているし」
新人に言われなくても、わかっている。暁は自分が会社で怖い存在だっていうことも、十も承知だ。仕事には厳しくという思いはあるが、壁を作ろうと思っているわけではない。ただ、なんかうまくいかなかった。
『暁さんって、不器用なんだよ』
急に誰かが、暁に話しかけられたような気がした。
「えっ?」
『私に優しくしてくれるのは、とーっても嬉しいんだけど。他の人にもそうすればいいのに。そしたら、暁さんモテるよ』
いるはずのない女の人の声。暁は辺りを見回すが、いるのは新人の相葉晴輝だけだった。
「どうしたんですか?最上さん」
「いや、なんでもない」
空耳だったのかもしれない…。
でも空耳にしては、リアルというか。暁にとって、その声はとても懐かしく聞こえた。
「最上さん、この海好きなんですか?」
隣に立っていた晴輝が言った。
「ああ、好きっていうか…」
そう言いながら、暁は屈んで、砂浜を触る。
「なんで好きかわからないけど。ここに来ると、安心するんだ」
「そうなんですか」
暁は、そう言って海を見た。
今日は天気が良く、空も海も真っ青。 そう、あの時と同じくらい。 一人の女の子が、大切な人を守り、消えたあの時と同じくらい…。
2014.05.01(Thu)21:34
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遠くの君へ 3
陽奈と暁は、それから夕日が落ちるまで海にいた。
最後の二人の時間は、ゆっくりと。でも確実に流れて行った。
日が暮れると暁は車で、陽奈の住んでいる家の近くまで送ってくれた。
「本当に家の近くまで行かなくていいのか?」
一応、この時代の陽奈は病み上がりということになっている。暁は、陽奈の体調を心配してくれているんだろう。
「ここで大丈夫だよ」
家の前まで行って、うっかり過去の自分と出くわしてしまったら、陽奈は過去にいられなくなる。過去に来た意味が無くなる。
「改めてご両親に挨拶に来ないとな」
暁は、不安そうな表情で言った。
「暁さん、怖いんだ」
陽奈は、そんな暁を見て笑う。
「何がおかしいんだ」
さっき陽奈にプロポーズした時よりも、緊張している暁。こんな暁の表情は、初めて見る気がする。陽奈よりも四歳年上の暁は、いつもしっかりしていて大人だった。
「暁さんが、あまりにガッチガチに緊張しているから」
「き…緊張するに決まってるだろ?大事な娘さんを下さいって言うわけだし」
「そうだね」
女の子が生まれると分かった会社の同僚が、女の子だってわかった瞬間に、娘は絶対にやらん!と言っていたのを思い出していた。
「お父さんにも、さりげなくいつ空いてるかどうか、聞いておいてくれ」
「うん…」
でもその未来は、来ることはないんだ、陽奈はそう思いながら、車のドアを開けた。
「じゃあ」
「ああ、また明日電話するな」
「うん」
これで暁と会うのは最後…。もう二度と会うことも、会話することも出来ない。そう思うと、陽奈は立ち上がることが出来なかった。
「陽奈?」
暁は優しい表情で、陽奈を覗き込む。
「なんでもない。…ただ、今日という日が終わらなければいいなって思っただけ。今、とっても幸せだから」
「何言ってるんだよ。これからも、ずっと幸せなんだぞ。そりゃあ苦労することも、沢山あるだろうけど」
暁はそのまま、陽奈に軽くキスをした。
「そうだね。幸せになるんだもんね」
「ああ」
陽奈は、車から出る。今度は自分から言う。
「じゃあ、また明日ね」 「おう」
陽奈は暁の笑顔を確認して、車の扉を閉めた。そして暁の車が走り去っていくのを最後まで見届ける。
「明日と昨日の順番が変わって、今日の次が昨日なら、また暁さんに会えるのかな?」
陽奈は、ふと自分の好きな曲の歌詞を呟く。
その歌は、大事な人を失ってしまった子の目線で書かれていた。まるで今の陽奈のように。

「昨日の次は、明日しか来ないんだよ」
声がする方を振り返ると、ハルキが立っていた。
「良かった…って言っていいのかわからないけど。でも来て良かった過去だったろ」
もう幸せな時間は終わり。陽奈を現実の世界に呼びもどす声。ハルキの声が、響いた。
「…良かったよ。だって、プロポーズされたんだから」
陽奈は、精一杯の笑顔で言う。
「この思い出を胸に閉まって、私は生きていけるんだから。この指輪は持ち帰れないけど」
陽奈は、自分の左手薬指にはめられている指輪を見ながら言う。
「そんなのウソだろ?」
「えっ?」
ハルキは深刻な顔をして、陽奈を見ていた。
「俺は時の案内人だ。あんたが、ここに来た本当の理由だって最初から分かっていた」
「ハルキくん…何言ってるの?」
「佐倉陽奈が過去に来た理由は、最上暁の交通事故を防ぐため」
「…違うよ!私は暁さんの大事な話が聞きたくて、それで過去に来たんだよ」
せっかく過去に来たのに、暁を死なせないために来たんだ。陽奈は、必死にハルキに嘘を吐く。
「だいたいハルキくん、最初に言ったよね。過去を変えたら私の存在が消えるって。私がいなくなるんだよ、そんなことするわけない」
陽奈は、必死にハルキに訴えかける。でも、ハルキの表情は一つも変わらず。ただ真っ直ぐに陽奈を見ているだけだった。
「自分が消えてもいいくらい大事なんだろ?最上暁が」
「それは…」
ハルキの言葉は、ものすごく直球だった。自分より、暁の方が大事。陽奈の思いそのもの。もうこの人には嘘を吐けない…。
「陽奈、もう嘘を吐かなくていい」
ハルキの言葉で、陽奈はがっくりと膝から崩れ落ちる。
「そうだよ、大事だよ。暁さんのことが。暁さんがいない未来なんて、私にはあり得ない。死んだも同じだよ。だから過去に行こうと思った。そして暁さんを死なせないようにしようと思った」
陽奈の大きな瞳から、次々と涙がこぼれ落ちる。
「最上暁を救ったら、佐倉陽奈という人間の存在が無くなるんだぞ。最上暁が生き残ったとしても、あいつの中で、佐倉陽奈が残らないんだ。陽奈じゃなく、別の女の人を好きになるんだ。それでもいいのか?」
暁が自分以外の人を好きになる、陽奈はそこまで考えていなかった。陽奈という存在が消えれば、暁は別の女性と恋に落ちる。 暁が自分以外の人を好きになるのは、嫌だったが。
でも一度決意した思いは変わらない。どうせ暁を救った時点で、自分の心も消えるのだから。
「…それでも、暁さんに生きていてほしい」
陽奈は、声を振り絞って言った。そして抑えられない涙を必死に止めようと、天を仰ぐ。
「どうして、こうなるんだよ」
ハルキは陽奈に聞こえないように、小さな声で言った。
「俺は、かつて自分の好きな人を事故で失った」
「えっ?」
「高校三年生の時、文化祭で買い出しに行った帰り道に片思いしていた同級生と交通事故に巻き込まれた。車の運転手が居眠りしていて、赤信号で交差点に突っ込んできた」
ハルキの脳裏には、その時の光景がはっきりと浮かんでいた。猛スピードで走ってきた車に対し、ハルキも一緒にいた同級生も、あまりの車の速さから逃げることができなかった。
「その事故で、俺は怪我はしたけど、運よく生き延びた」
ハルキが生き残った?陽奈は、彼が話していることが、飲み込めなかった。今、時の案内人として自分の目の前にいるハルキが、人間として陽奈と同じように過ごしていたということなのだろうか。
「でも一緒にいた同級生は、病院に向かう途中の救急車の中で死んだんだ」
ハルキの目には、今にも涙がこぼれるんじゃないかというくらい、うっすらと涙が浮かんでいた。
「俺は自分を恨んだ。どうして俺が生き残って、彼女が死んだのか。これから一緒に文化祭を楽しんで。一緒に、海に行ったりお祭りとかにも行ったりして。それに告白もしてないのに、なんでって。例え告白して振られたとしても、彼女の明るい未来が来ない」
そう言ってハルキは、陽奈を見る。
「そして思ったよ。彼女の未来を救いたいって」
「ハルキくん」
「俺は、昔ばあちゃんから聞いた迷信を信じてみて、アンダーパスを通って過去に行った」
「それで…?」
「俺は、過去を変えた。交差点で車が突っ込むことは分かっていたから、彼女に近くの店でジュースを買ってきてほしいって頼んで」
「ちょっと待って、私、それ知ってる」
陽奈は、そう言ってハルキを見る。
「私も高校三年生の時に、クラスで一番仲の良い女の子と文化祭の買い出しの途中で交通事故を見た。交差点で車同士が正面衝突して…」
陽奈の頭の中に浮かんでいたのは、さっきハルキが喋っていたことと全く同じ光景。ハルキの話を聞いて想像しているわけじゃなくて、確実に陽奈の記憶の中に残る現実。
確かに自分が歩いていた近くで、交通事故があった。車同士の正面衝突で死者は出なかったはず…。 でも何か違う。陽奈は必死に頭を横に振る。
「そうじゃない、正面衝突じゃなくて…。それに一緒にいたのは」
陽奈の頭の中に何かが光った。
「私が一緒にいたのは、晴輝…。ハルキくん、あなただった」
陽奈の目の前にいるハルキ。それは、あの事故にあった時の高校生のままの晴輝だった。
「私、忘れていた…。晴輝のこと。あなたに会っても、思いだせなかった」
「忘れていたとか、思いだせないとか。そんなんじゃない。陽奈の中に…、今生きている全ての人の中に相葉晴輝が存在していない」
それが、存在が無くなるということ…。陽奈は、改めて晴輝を見た。
「それでも思いだせないなんて最低だよ…、私。ごめんね、気がつかなくて。それに私を助けたせいで、こんなことになって」
「陽奈が謝ることじゃないから」
晴輝は、そう言って陽奈の手を軽く握る。
「これは、俺自身が決めたことだから。こうなることをわかっていて決めたんだ。陽奈に、どうしても生きててもらいたかったから」
陽奈は全く気がつかなかった。晴輝が自分のことを好きだったことを。
「それから、俺は時の案内人になったんだ。俺の存在は時の渦の中に消えたけど。でも大好きだった陽奈が、俺以外の人を好きになって幸せになっていく姿を見守れるように」
今も晴輝は自分のことを思ってくれている。陽奈が暁のことを思うように、 自分の存在を犠牲にして、陽奈を助けてくれた晴輝。
なのに、陽奈は今、その命を投げ出そうとしている。晴輝の目の前で。
「陽奈には俺と同じことをしてほしくない。あの事故の時から、俺の気持ちは変わっていない。大好きな人に、生きていてほしい。だから…」
晴輝は、陽奈のやろうとしていることを止めようとしている。その思いが、握られている彼の手から伝わった。
「バカだよ、晴輝」
陽奈は、そう言うのが精一杯だった。それ以外に彼にかけられる言葉はない。
「バカだよ、俺は。でも、陽奈には、そんなバカなことをしてほしくない」
「晴輝、ありがとう。私のこと助けてくれて。そのおかげで私、こんなに幸せになれた」
陽奈は、そう言うと、自分の手の上にある晴輝の手を、そっと離した。そしてゆっくりと立ち上がる。
「晴輝、私は暁さんを救う」
陽奈の目には、もう涙は無かった。そして力強い声で言う。
「何言ってるんだよ!」
「本当は私が死ぬはずだった。高校三年生の時に。だから、元に戻るだけだよ」
陽奈は、優しい笑顔で晴輝に言う。生きているはずのない自分が生きて、生きているはずの晴輝の存在が消えた。
「私が消えれば、時間の流れは元に戻る」
陽奈の存在そのものが消えれば、高校三年生の事故は起こらない。そしたら晴輝が消える必要はなくなる。
「私の存在が消えれば、晴輝が消えることはない。晴輝は生きていける。そして暁さんも生きられる」
陽奈は、そう言って歩き出す。向かう先は、時の分岐点、あのアンダーパス。
「待てよ」
走ってきた晴輝は、陽奈を追い越す。そして目の前に立ちはだかる。
あの場所には行かせない、口には出さないけど、晴輝の気持ちが伝わった。
「邪魔しないでよ」
陽奈は、そう言って晴輝を避けようとする。が、晴輝は陽奈の両肩をがっしりと掴んだ。
「陽奈にこんなことをされたって、俺は嬉しくない」
「私だって同じだよ!」
陽奈は、晴輝の気持ちに負けないように、必死に言った。
「晴輝の気持ちに、感謝はしているけど。嬉しいなんて思ってないよ。私のせいなのに、知らないところでこんなことになっているんだよ」
彼女の言葉に、晴輝は何も言えなくなる。
自分がしたことで、彼女が苦しんでいる。陽奈のためにしたことなのに、陽奈本人が苦しんでいる。
いや、もしかしたら自分がしたことは陽奈のためじゃなくて、自分のためだったのかもしれない。陽奈がいない未来を受け入れられなかった弱い自分が、自分のためにやったこと…。
「それでも、俺は陽奈を犠牲にして…。陽奈のことを忘れて、生きていくなんて嫌だ」
晴輝は、振り絞るように言う。その言葉を聞いた陽奈が、そっと微笑んだ。
「犠牲になるわけじゃないし。忘れるわけでもない。ただ、存在しないだけだよ。相葉晴輝の中に佐倉陽奈はいない。それだけ」
陽奈は言った。ほんの数十分前に晴輝が言ったことをそのまま。
晴輝は思っていた。彼女は、もう覚悟している。だから微笑んでいる。
今決めたわけではない。とっくに決めていたんだ。アンダーパスを通った時から。 いや、それよりもずっと前からだったのかもしれない。暁を失った時から、彼を救うために過去に飛ぶことを。そして自分は消えるだろうということも、ここに来る前からわかっていたんだろう。
アンダーパスを通って時の空間に来た時に、過去を変えることで自分が消えるということを知った晴輝とは違い。
「私の最後のお願い、聞いてくれるよね。時の案内人さん」
晴輝は何も言わず、アンダーパスに向かって歩き始める。
「ありがとう、晴輝」
陽奈は前を歩く晴輝の後姿を見ながら、小さな声で呟いた。
2014.04.28(Mon)00:27
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遠くの君へ 2
目の前に広がる海。
小さい頃から、陽奈はこの海が大好きだった。家族とも何回も来たし、友達とも何度も来た。もちろん暁とも何回も。 小さい海だったが、夏にはそれなりに海水浴客もいて。冬には、サーファーもいる。
今日は、偶然にも人はいないようだった。
陽奈は、波打ち際すれすれのところに座った。
「陽奈?」
それからすぐに、聞き慣れた低い声が聞こえた。それはハルキの声ではない。
もう二度と聞けないと思っていた暁の声。
声がした方を振り返ると、確かに暁はそこに立っていた。驚いた表情で、陽奈を見つめている。 そして陽奈も、半年ぶりに会った暁を穴が開くくらい見つめた。
「陽奈、風邪で寝込んでいるんじゃなかったのか?」
いないはずの、しかも高熱でうなされているはずの陽奈がここにいる。暁は相当びっくりしているようだった。
「えっ…。あー」
そして陽奈自身も、当たり前のようにこの海にいるのだが。
あくまでもここにいる陽奈は、未来の陽奈。本当の陽奈はここにいないことを、うっかり忘れていて慌てる。
「あの電話の後、なんか急に熱が下がって。薬が効いたみたい。日本の医学ってすごいよねー」
数時間前まであった高熱が、すぐに下がる。なんてあり得ないよなと思いつつ、陽奈は苦笑いしながら暁を見る。
「でも、大丈夫そうでよかったよ。三九度も熱が出たっていうから、心配したぞ」
暁は、陽奈の嘘を疑っていないようだった。そりゃあ目の前にぴんぴんしている陽奈がいるのだから、疑いようもないが。
「それに大事な話があるなんて言われたら、熱も下がっちゃうよ」
「病は気からっていうのは、本当みたいだな。それにしても、俺の話をそんなに気にしていたんだな。」
「そりゃあ気になりますよ。なんかねえ」
「そんなに気になるなら…」
そう言って、暁は陽奈の横に座る。
「なんていうか…。その」
今まで饒舌に喋っていたはずの暁が、急にもごもごし始める。
その様子に全く気がつかない陽奈は、立ち上がり波打ち際まで歩いて行く。
「ここの海は夏に見るのもいいけど、秋に見るのもいいよね。今日も、水が透明」
そう言って、陽奈は近くまで来た小さな波を触った。
「冬もいいんだよ。真っ青じゃなくて、真っ黒みたいになって。なんか海に飲み込まれるような感じ。暁さん、見たことないでしょ?」
陽奈は、まだ暁の様子にも気がつかなかった。 半年ぶりに会えるはずのない暁と一緒にいれて、そして喋ることができる。同じ時間にいれる。そう思った陽奈は、嬉しくてしょうがなかった。
「今度、一緒に…」
陽奈は、言葉を飲み込んだ。今度一緒に行こうねと言いたかったが、もう暁に今度は無いんだ。
「どうした?陽奈。やっぱり具合悪いんじゃあ」
急におとなしくなった陽奈を、暁が心配そうに見ている。
「うん、大丈夫。風邪は治っている」
「本当、陽奈はこの海が好きだよな」
そう言って、暁は陽奈の隣まで歩いてくる。
「大好きだよ、春夏秋冬、毎日違う姿を見せてくれるから」
陽奈は中学時代からこの街で暮らし、何かあるたびにこの海にやってきていた。一人の時もあれば、友達と来る時も。
もちろん暁とも来た。とても大切な場所。
「だから、ここで話そうって決めていたんだ」
「話すって…?」
「大事な話」
そう言って、暁はポケットから、小さな箱を取り出す。プレゼント用に包装されていた。
「これ、私に?私の誕生日、まだ先だし。クリスマスじゃないし」
「陽奈へのプレゼントだ」
暁は、陽奈の右手を握り、そしてその手の中にプレゼントを置く。その顔は、みるみるうちに真っ赤になっていった。
「どうしたの?暁さん」
急な暁の表情の変化に、陽奈は不思議そうな顔をする。それに気がついた暁は、陽奈の目線を避け、海の方に歩き出した。
「いいから、開けてみればわかる」
「うん…」
陽奈は、自分の手の中にあるプレゼントの包装を丁寧に解き、箱を開けた。そして中身を出してみる。
「暁さん、これって…」
中身を見なくてもわかった。よくテレビドラマとかで見ているのと同じ。だから知っている。箱の中から出てきた箱。この中には指輪が入っている。 ゆっくりと開けると、そこには陽奈の誕生石があしらわれている指輪があった。
「高い指輪じゃなくて、ゴメンな。陽奈、その…。俺と結婚してほしいんだ」
さっきよりも、もっと真っ赤になった暁が一世一代のプロポーズをした。しかし何秒経っても、陽奈から何も返ってこない。
「陽奈?」
暁の言葉は、陽奈には届いていなかった。
『大事な話って、プロポーズだったんだね』
大事の規模が大き過ぎるよ。陽奈は、心の中で呟いた。
 陽奈の目から大粒の涙が、沢山こぼれているのに気がついた暁は、すぐに陽奈のいる場所に駆け寄る。
「泣くって、もしかして、俺のことそんなに好きじゃなかったとか…」
何も言わず、ただ泣いている陽奈に、暁は焦る。
「いや、俺との結婚は無理っていうなら…」
「無理じゃない!」
暁の言葉に、陽奈は一生懸命首を横に振る。
「嫌なんて言ってない…」
「じゃあ、俺と結婚してくれるんだな」
暁の言葉に、陽奈は頷いた。
「そっか…、やった。良かった」
緊張と不安が解消された暁の顔は、いつもの優しい表情に戻っていく。本当に暁は、幸せそうな顔をしていた。
本当なら、すごい嬉しいはずなのに。これから起こる現実を知っている陽奈は、暁の顔を見ることが出来なかった。
こんなことなら、今目の前で起こっている出来事も、この先の未来のことも知らない方が幸せだったのかもしれない。
「必ず幸せにするよ、ずっと」
暁はそう言って、陽奈を抱きしめた。
「うん、私も暁さんのことを幸せにする。これから先もずっと」
陽奈は暁の胸の中で、そう言った。

『私が暁さんを死なせない』

陽奈が過去に来た目的。
それは暁が死ぬ前日、つまり今日の大事な話を聞きたいという願いもあった。でも、それは一番じゃなかった。
過去へ来た本当の目的は、暁を死なせないこと。
つまり過去を変えることだった。自分の存在が無くなってしまったとしても…。
 
2014.04.23(Wed)21:21
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遠くの君へ 1
この地方には、古くからの言い伝えがある。小さい頃に、近所のお年寄りから教わった。

『過去に行きたいという強い想いを抱いて、あのアンダーパスを歩いて通り抜けると時を超えることができる』

まるでお伽噺のようなこと。
今風に言うなら、都市伝説?
そんなのあるわけない。佐倉陽奈は、ずっとそう思っていた。
星座占いや、血液型占いも信じない。自分は自分なんだから。
それが陽奈の性格だ。
そんな陽奈が、その場所に立っている。
都市伝説なんか、信じない。そう思っていた陽奈が、ここにいる。

そこは街の中心部。都心部に向けて走る電車や、市内を巡回するバスが走っているターミナルも近い。陽奈も毎日の通勤で、そのアンダーパスを通っていた。
でもアンダーパス内を自分の足で歩くのは、初めてだ。車の行き来が激しいので、歩いている人なんて滅多に見ない。
「本当に、こんな場所から過去に行けるのかな?」
陽奈は、心の中で呟く。
でも行くしかない。陽奈は手の中で小さく握りこぶしをつくった。
どうしても行かなくてはいけないんだ、あの時に。
「待っててね。暁さん。」
小さな声で、陽奈は言った。そしてアンダーパス内の歩道をゆっくりと歩き出す。
頭の中に浮かべるのは、最上暁の顔。大好きな人の笑顔。そして楽しかった日々。2人で見た海。沢山の思い出が、走馬灯のように溢れてくる。

気がつくと、陽奈の目に光が差し込んだ。アンダーパスを越えたのだ。だがそこにはいつもバスで通る時に見る風景が広がっているだけ。何も変わらない。
「やっぱり迷信か…」
そう思い、陽奈は来た道、アンダーパス内に戻ろうと歩き出す。
「ちょっと待てよ」
陽奈の後ろから、男の人の声が聞こえた。
知らない人に声をかけられてもついていってはいけません。お母さんが、そう言っていた。
陽奈は、彼が呼んでいるのは、私ではない。と解釈し、そのまま戻ろうとする。
「だから、ちょっと待てって言ってるだろ!」
振り返ると、やっぱりそこに立っていたのは、知らない男の人。というか、高校生くらいの少年だった。
「なんですか?知らない人に声かけられても、ついていってはいけないって言われているんですけど」
「いい歳して、子供かよ」
「子供って…。子供のあなたに言われる筋合いはない」
「子供で悪かったな。成長止まってるんだよ」
「そうですか、それは残念でしたね」
これでは陽奈も、すっかり子供である。2人の言い争いは、まるで高校生くらいだったから。
「じゃあ私、帰らないといけないんで」
私は、大人。彼のような高校生とは違う。陽奈はそう言い聞かせて、深呼吸を一回して平常心を保つ。そして改めて、元来た道に戻ろうと足を動かす。
「戻っていいのかよ、過去に行きたいんだろ?」
一瞬、陽奈は自分の耳を疑ったが。彼は間違いなく言った。
『過去に行きたい』と。
「あなた、今なんて…」
そう言って、陽奈は彼の方を振り返る。
「俺は時の案内人、ハルキ」
「時の…案内人?」
には、到底見えない。陽奈はそう思った。あまりにも目の前にいるハルキは、普通の少年だったから。
「高校生よ、そういう冗談は止めておいた方がいいよ」
「冗談なんか言うかよ!」
「だって、どっから見たって、普通の高校生でしょ?時の案内人なんて嘘ついて、私は騙されないんだから」
「しょうがないだろ。こういうのなんだからさ。時を越えられる人間は、キラキラ衣装でも着ているとか思っているんだろうけど。そんなの物語みたいなこと…」
「信じられません」
陽奈はそう言って、再度、アンダーパスの方に歩いて行く。
どう説明しても、全く信じようとしない陽奈に、ハルキはイライラする。どうしたら、陽奈に信じてもらえるのか。
「佐倉陽奈」
陽奈は、急に少年に自分の名前を呼ばれたので、立ち止まる。初対面の少年に、まだ陽奈は自分の名前を言っていない。
「あんたが行きたいのは去年の九月以前。最上暁が死んだちょうど半年前。会社の営業回りの最中に交通事故で…」
「もう、いいよ!」
さっきまでの少年らしいハルキの声とは違って、まるで仕事をしている時の声。時の案内人は、ハルキにとっては仕事なんだろう。
「…それを知っているってことは」
ここに来るまで、両親にも友達にも暁に会うために、迷信かもしれないタイムスリップをする。なんて、誰にも言ってなかった。
それを目の前にいるハルキは知っている。しかも暁が死んだ日にちも明確に。
「これで信じた?」
ハルキの言葉に、陽奈はただ頷くことしかできなかった。
「…私、本当に過去に行けるの?」
「行けるよ。俺は、時の案内員だからな」
やっと認めてもらったせいか、ハルキの表情は誇らしげである。
「嘘みたい。絶対迷信だと思ったから」
お年寄りの話す伝説も捨てたものじゃない、陽奈はそう思った。
「俺も、最初はそう思ったよ」
「えっ?」
「いや、なんでもない…」
ハルキは咳払いをする、それも結構わざとらしく。陽奈は、ハルキの言葉に何処かひっかかった。
ハルキがお年寄りが話していた迷信を知っている?
時の住人だから、アンダーパスからタイムスリップしてくる人を迎えに来ているわけだし。知っていて当たり前だが。でもそれが、迷信になっていることまで…。
「でも過去に行きたいというなら、その前に注意事項がある。まずは、過去に行っても、過去の自分に会ってはいけない。それから、過去の物を、未来に持ち返ってはいけない」
ハルキを見ていると、まるで遠足の注意事項をしゃべる担任の先生。陽奈には、それが面白く見えた。
「それから、これが1番大事なことだ」
「大事なこと?」
「ああ。決して過去を変えてはいけない。過去はあんたがいる未来につながっているからな。だから絶対に変えてはいけない」
「…もし、変えたらどうなるの?」
少し間をおいて、陽奈が小さな声。でも芯が通った声で言う。
「時の流れから、変えた者の存在が消える」
「存在が消える…」
「過去にも、その先にもその人はいなかったってことだ。例えば佐倉陽奈という存在自体が、過去にも未来にも残らない。誰からも忘れられる」
「そう」
ハルキが俯いている陽奈の顔を覗き込む。
「まさか、時間を変えようなんて…」
「するわけないじゃない。そんなこと」
ハルキの言葉を、陽奈は遮る。
「私はただ、もう1度、暁さんに会いたいだけ。あんなに急にいなくなっちゃったから。だから、それだけだよ」
「なら、いいんだけどな」
陽奈の言葉を聞いて、ハルキは安心した表情を見せる。
うまく誤魔化せた。陽奈はハルキを見て、そう思う。

最上暁。陽奈の会社の先輩だった。そして恋人でもある。
ハルキが言った通り、暁は去年の九月。仕事中に交通事故で亡くなった。
最初は、ただ仲の良い先輩・後輩という関係。口が悪くて、冷たそうに見えるが、本当は優しい暁に、気が付いたら惹かれていた。
そして暁も、陽奈のことが好きだったから、優しくしていたようだ。付き合ってすぐに、そう言っていた。
「好きじゃなかったら、優しくしないだろ。それに口が悪かったのも、素の俺だし」
そう言った暁の顔が、頭の中に思い浮かぶ。
「陽奈の前だから、俺は俺らしくいられる」
そんな臭い台詞も、今となっては、もう聞くことすらできない…。

「で、どこら辺に行きたい?」
「暁さんが亡くなる一日前に行きたい」
「…わかった」
ハルキはそう言うと、何か呟いた。陽奈には全くわからない呪文のようなもの。過去に行ける呪文なのだろうか。
「さっきあんたが来た道、あのアンダーパスを俺と一緒に通り抜けると、望みの日に行ける」
そう言うと、ハルキはゆっくりと歩き出した。陽奈も、彼の後を追いかける。
「でもなんで亡くなる一日前なんだ?過去にいれる時間はある程度の制限はあるけど。割と長くいれるものなのに」
「そうだね、そしたら暁さんを長く見られるよね」
陽奈は、そう言って微笑む。
「暁さんの亡くなる一日前にね、私たち会う予定だったんだ。でも私、その当日に、急に体調崩しちゃって行けなかった。大事な話があるって言われていたのに」
その時の暁の顔は、いつもより真剣でいて、それで何処かそわそわしていて。見たことない表情。
でもずっと陽奈を、優しい目で見ていた。
「で、次会える時に話すって言われたんだけど…」
その約束は叶えられなかった。そのまま次の日に暁は帰らぬ人となった。
「ずっとそれが気になってた。あの時の暁さんの大事な話、わからないまま生きていくのが辛くて。で、迷信を信じてみたくなったわけ」
陽奈は、精一杯明るい表情で言う。
「さっきハルキくん、過去の私には会ってはいけないって言ったけど。過去の暁さんには会っていいんだよね?その日の本当の私は、風邪で寝込んでいるから来れないし」
その日の陽奈は、日頃の疲れが溜まっていたのと、季節の変わり目で高熱を出し、暁に断りの電話をするのが精一杯だった。「ああ、それは構わないけど。亡くなる一日前だから、過去を大幅に変えることもなさそうだし」
「よかった」
「じゃあ行くぞ」

その会話を最後に、2人は一言も喋らなかった。二人は無言のまま、アンダーパス内を歩き続けた。
アンダーパスを抜けると、目の前には海が広がっていた。
「今度は、風景変わるんだ…」
一回目にアンダーパスを通り抜けた時は、いつもと変わらない風景だったが。ハルキと歩いた二回目は、全然違う場所だった。
街の外れにある海が、陽奈の目の前に広がった。この街で、陽奈が一番好きな場所だ。
「最上暁が、半年前にあんたを連れてきたかった場所だ」
さすが時の案内人、何でも知っているようだ。
「もう少しで、最上暁が来る」
「うん。じゃあ行ってくるね」
そう言って、陽奈は海に向かって歩き出した。
2014.04.20(Sun)22:17
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LOVE はじめました
…、基。

小説を載せてみようと、企みましたぴかぴか

数年前に熱心に書いていたんですが…。
小説用のブログも、作ったりしてみて。

でも…。
また、最近はご無沙汰中ですたらーっ

(ご趣味が、アクセサリー作りになっちゃったから)

だから、メインのブログに小説も。


「遠くの君へ」


ええ。
GRAPEVINEの曲の題名を、パクリました(笑)

名曲ですラブラブ


結構、前の作品です。

元々、何かに載せる予定だったけど。
それが、出来なくて。

このまま、陽の目を見ないのも、かわいそうなので。

載せちゃいました。

4回くらいに分けて、載せる予定です。

気が向いたら、読んでみて下さいかお
2014.04.20(Sun)22:14
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